事務局から資料4に基づき説明
資料4 平成29年(2017年)要覧
会長:はい、ありがとうございます。
ずいぶんと内容が豊かになりまして、これに目を通すのは大変だったんではないかと思います。
何かお気づきのことがありましたら、お話しいただきたいと思います。
委員:(17)の障害者サービス利用状況のところなんですけれども、この図書館では、色々ボランティアで活動されてると思うんですけれども、「「障害者サービス利用案内」を活字、録音、点字で作成し」ということは、利用案内だけですか。
本はなさってないんですか。
本を点字にしたりとか、音訳したりとかのグループもあるんですか。
事務局:障害者サービスに関わるボランティアグループなんですけれども、2つありまして、一つは「グループ藍野」といいまして、音訳・録音図書を作成するグループです。
同じ要覧の9ページ、協力団体の説明のページなんですが、その1番の「グループ藍野」といいますのが、視覚障害者等用資料の作成と、対面朗読を行っているグループになります。
そして、もう一つ2番目「茨木市バラの会」という会があります。
こちらの方が、点字図書の作成、点字図書だけではなくて、「バラの会だより」というような定期雑誌のようなものを作成したりとか、そのような活動をしている団体があります。
委員:これは、読んで録音なさっているということですか。
音訳の方は。
事務局:はい。
事務局:補足をさせていただきますと、この(17)障害者サービス利用状況で書かせていただいている前段の利用案内っていうのは、今までも作ってはいたんですが、しっかりした形で作りましたということで、報告をさせていただいています。
委員:最近、研修会みたいなものがあって、サピエというところでデイジーに関わることがあったんですね。
テキストデイジーに。
そうやってできた図書を借りられるようになってるんですね、ここの図書館では。
そのデイジーを作っている現場が大変なことで、人数がいらっしゃらないということです。
その作業の順番を聞いたんですけど、まず本を解体して、バラバラにして、スキャナしてそれを読み込ませて、それをデイジーのソフトに入れて、そしたら勝手に読み上げるんです。
私も体験したんですけども、棒読みで。
それは、朗読とは違って音訳だから良いということでした。
その読み上げなんですけど、ルビどおりによむので、上方(かみがた)落語を上方(じょうほう)落語って読んだりします。
上方(じょうほう)落語を上方(かみがた)落語っていうふうに読ませるためには、人の手で直していくという作業があるらしいんです。
もう1ページくらいで音をあげてしまいました。
「なんて作業なの」っていうことになって、「これは本を解体する前のものをもらえないか」とか、「データをもらったらすぐできるんと違うの」とか、いっぱい言ったんですけど、ダメですって。
本になったものをもう一回スキャナしてと言われ、「あぁ、すごい世界なんだな」と思って。
読みたい本を目の不自由な方にどんどん読んでもらう世界は、まだまだ大変なことだなと思って、ちょっと体験してきた次第でございます。
そこでやってらっしゃる音訳も素晴らしいし、友人は対面朗読をしているんですけれども、それもとてもいいことだと思うんです。
まとまりがないんですけども、すごいことをしてらっしゃる方がいらっしゃるんだなと思って、ちょっとびっくりして帰ってきました。
ほとんどボランティアで成り立っているそうです。
事務局:当館のボランティアは、人が読んだものを録音してそれをデジタル編集するという形でデイジー図書を作っております。
ですので、読み方、我々は、普通に目で漢字を見て理解している部分があるんですけど、やはり読まなければいけませんので、人名ですとか、歴史的人物の名前の読み方ですとか、地名の読みなどについては、しっかり調べて読んでもらっています。
「どうしても読み方がわからない」ということで、レファレンスで調べるというような事例もございます。
委員:各図書館で音訳したものが、デイジーに登録できるんですか。
事務局:当館はサピエに加盟しておりますので、こちらで作成した図書をサピエの方に登録して、全国的に貸し借りできるようにというふうな登録をしております。
委員:各図書館でそういうことをされたら、大変な量になってきますね。
事務局:やはり利用者の方にとっては、利用できる図書がたくさんあるということになります。
委員:自動読み上げというのは、本当におもしろいですよ。
本当に棒読みですよ。
あれは情報としては、もう素晴らしい情報だそうですね。
まっすぐ読んでるというのは。
感情がこもらない方がいいって。
委員:かえって抑揚とか色々入ってきますと、長時間聞けないんです。
委員:そうなんですか。
委員:スピードも2倍速、3倍速じゃなくて、5~6倍速で聞かれるんです。
それくらいで聞くためには、平坦な録音の方がいいんです。
委員:そうですか。
初めて聞いたらびっくりするくらいに棒読みなんですけど、それがいいんですね。
委員:もっとお金をかければ、コンピューターと学習機能を使って、かなりの本をきれいにデジタルデータ化できるんですけどね。
ものすごい費用がかかります。
だからみんなボランティアに頼ってるんです。
委員:本を解体せなあかんっていうのはそうなんですか。
委員:やっぱり1冊は買ってもらわないといけないので。
出版社から提供されている分もあるんですが、それもテキストデータではなくて、出版データなんです。
だから、かなり加工しないとだめで、そのままでは使えないんです。
テキストデータというのは、出版社は持ってないんです。
委員:ちょっとその世界をかじって、すごいなと思いました。
委員:日本では、まだここでやってらっしゃるように、音声デイジーですか、人が読んだのを録音して、それを機械的にデジタル化するというのが中心なんですが、欧米諸国は基本的には、その方法はなくなっているんです。
ほとんど、機械でできてるんです。
だから音声デイジーを作ってたボランティアさんが他の方へまわってるんです。
デイジーのファイルは、8割がた音声デイジーのままなんで、本来欲しいマルチメディアデイジーという、テキストと画像とかをリンクさせたような、もう少しいいものがあるんですが、それを作るボランティアが確保できないんですね。
委員:もっと良いのがあるっていうのは聞きましたが、それですね。
委員:日本語というのは難しすぎるんです。
だからなかなか、技術開発が進まないんです。
委員:大変いいお話をありがとうございます。
会長:1点だけ気になったのは、分類別蔵書冊数を出していらっしゃいますよね。
各館別に出していらっしゃるんですが、例えば中央図書館の開架室の分類別の蔵書冊数、分類別蔵書率というか、だいたいこれに沿った率で、毎年分類別受入冊数なんかはなってるんでしょうかね。
事務局:そうですね。
近い形にはなりますね。
会長:特に市的に、分類別蔵書冊数に基づいて、毎年の受入冊数を分類別にこれくらいにしようかっていうことを、前もって決めているわけではないんですね。
事務局:昨年度、蔵書の分類別の分析をしまして、例えば各館で「この分類のものが入ってなくて、貸出もないんじゃないか。」みたいなことをしまして、その時に、「そこの分類に力を入れよう」とかいうようなことはしております。
会長:いちおう、なさってらっしゃるんですね。
事務局:はい。
会長:そういうのは、なかなか統計には出てこないですからね。 まぁ、その5万数千の受入冊数の中でどういう分類のものがどの程度入っているのかなとちょっと気になったものですから。
となったら、それが出したところで、偶然にその冊数になったのか、あらかじめ何か意図を持ってその冊数にしてるのか。
そういうことがないと、分類別受入冊数を出してもらう意味はもちろんないんですけども。
その辺、特に意識はされていないということですね。
先程おっしゃったように、蔵書の分析をした結果ですね。
事務局:はい。
していってはいますけれども、やっぱり長いスパンで見ないと。
貸出がどうだとかいうことは、色々組み合わせて見ないといけないとは思っております。
委員:一言だけ。
16ページの視聴覚資料の所蔵状況がありますが、LDが4,313タイトルあるんですが、これは何か活用されてるんでしょうか。
貸出データはないみたいですし。
事務局:レーザーディスクは、貸出はできないものでして、現在、水尾図書館に館内視聴できるブースがございますので、そちらでご利用いただいております。
また、ほぼ毎週土曜日に中央図書館におきまして、著作権上上映してもいい分につきまして、上映会を行っております。
会長:映画ですか。
事務局:はい。
会長:人は入りますか。
事務局:本当に古いものばかりなんですけども、だいたい60名前後くらいは参加していただいています。
会長:そんなにいらっしゃるのですか。
事務局:先週終わったところなんですが、ライブラリーフェスティバルの期間は、土曜日ではなくて、平日に5回から6回、毎年やっているんですが、今回は「誰が為に鐘は鳴る」ですとか、「若草物語」とか、「アンナ・カレニナ」「ジェーン・エア」というような「名作文学特集」というのをやりました。
また、何年か前には、普段できないような長編映画、3時間近くかかるようなものも、開始時間を早めてやったりなどしております。
会長:来場者は高齢の方が多いんじゃないですか。
この年齢別利用を見てて思ったのは、60から69歳の人の利用ですね、中央館では40代に次いで多いという実態がありますよね。
今日もちょっと時間があったので、座って利用させてもらったんですが、ほとんどが高齢の方ですよね。
こういう懐かしの映画会なんかをやると、そういう方達もけっこう来ていただけるということですかね。
事務局:そうですね。
また、今回のライブラリーフェスティバルのように、お若い方でも、作品によっては観に来ていただけることもあったように思います。
委員:今の話とちょっと関連があるんですけど、私には2人の子どもがいるんですけど、20数年前、2人の子どもを連れて中央図書館に来て、今の学習室みたいな所でビデオを個別に観られたというのを覚えてるんです。
色んな新しいビデオも観られましたし、良かったと思うんですよ、お金もかからないし。
今は、学習室に変わってるように思うんです。
学習室っていうのは、なんか図書館の本を利用さえしたら、高校生でも受験生でも複数で借りられる部屋なんですか。
どうして変わったんですか。
事務局:グループ学習室というところがありまして、そちらの方は図書館の本を使ってグループで調べものをされる時に、話声などが他の方のご迷惑にならないようにということで、扉付きの部屋を中央図書館ができた時は、2室設けてありました。
一昨年リニューアルをした時に、そのうちの1室は扉をなくしまして、普通の席と同じように使っていただけるようにということで、グループ学習室扉付きのところは1室になりました。
今、おっしゃっていただいてました最初映像を観ていただいていた部屋は、今はパソコン専用の部屋と、もう1室は複製絵画を置いてある部屋が、かつてはグループ視聴室となっていた所になります。
中央図書館ができました時は、レーザーディスクを使った館内視聴のシステムをいれまして、1人席・2人席・グループの部屋というふうに観ていただいていたんですが、レーザーディスク自体がもう生産されなくなってしまったり、視聴のためのシステムの更新ができなかったというような諸々の理由から、視聴ブースというのはリニューアルよりかなり早い段階でなくなっておりました。
分館の方では、水尾図書館と穂積図書館で視聴ブースはまだ続けていますが、そういった経過で、現在中央図書館では視聴のコーナーはなくなっております。
委員:今、レーザーディスクとおっしゃいましたけども、いわゆるVHSビデオも同じようになってしまうんでしょうかね。
事務局:そうですね。
VHSビデオ自体も、近年はDVDやブルーレイに移り変わってきておりまして、新しいソフトがほぼ出ない状態になっておりまして、図書館の方でも新たなビデオの購入というのは、もうしておりません。
委員:去年でしたか、一昨年でしたか、中央図書館の抜本的な改造とか、リニューアルされましたね。
そういうふうな時に、DVDを見せるという部屋を設置するというようなことはなかったんでしょうか。
そんなアイデアはなかったですか。
事務局:視聴していただける設備をまた新たに作るということは、新たな経費も掛かるということもありますし、そこで使っているソフトについても、新しいものが入るということはないということで、発展性がないということで、それについてはしなかったということになります。
委員:今は、DVDは追加購入されてないということですか。
事務局:館内視聴について、レーザーディスクを当初入れた時は、著作権的に厳しくない時代でありまして、レーザーディスク自体も「貸出しないで館内で」ということで、許可をいただいていたんですけれども、最近、館内視聴のDVDというのが著作権的に厳しくなったところがありまして、館内で今までみたいに視聴するというものを買おうとすると、1枚のタイトルを買うのに、かなり高額な費用がかかります。
費用対効果を考えると、たくさんの種類を以前のようにいれることが非常に難しくなってますので、それもふまえて、館内視聴がなくなってきているという経緯があります。
また、DVDを貸出するのと、館内で観るのと、また違った著作権が発生したりしますので、資料的に今揃えるのは難しいという判断で、館内視聴をなくした経緯があります。
会長:色々、先程著作権の話も出てましたけど、そういった映像資料の扱いが、ずいぶん考え方が厳しくなってきてる傾向もあるようです。
また、ソフト自体も、今までビデオテープだったのが、そういう形でどんどん変わっていくということも含めて、そういった時代の流れの中で、施設の利用のされ方も変えていかざるを得ない、そういうことだったんだろうと思うんですが、そういったことも含めて、その他のところで、また色々ご質問いただきたいと思います。
とりあえず、この要覧についてのご質問が他にないんでしたら、以上で終わりたいと思いますが、いかがですか。
委員:要覧の31ページに「利用指標の推移」というのを載せていただいてるんですけど、前もちょっとお聞きしたことがあると思うんですけど、登録率というのが、26年度と比べていくと22.9%になってるんです。
たぶん、更新とかの関係で下がっているんだろうと思うんですけど、この辺りを図書館の方でどう捉えておられるのかということだけお聞きしたいんですけど。
事務局:確かに数字が下がっていることに関しては、危惧しているところです。
この登録率というのは、登録人数、前のページ64,189っていうのは、1年に1回使ってる利用者の人数ということになります。
何度か申し上げている貸出の数を20冊までに増やした関係もあって、家族のカードを何枚も使っていた人が1枚のカードで済むようになったというようなことも、一つの要因ではあると思っています。
ただ、貸出は増えていまして、人数の方はやはり減ってるという所は、まだ今後考えていくべき課題であるというふうに思っています。
今のところ、まだ分析ができてない所です。
委員:茨木は、駅前とかにマンションとかすごい建って、人口も今けっこう増えてますよね、28万人超えて。
図書館というものが、新しい人にまだ浸透してないところもあるのかもしれないですけど、その辺りも含めて、いい資料を持たれてるので、ぜひどんどんPRしていっていただければと思います。
会長:そうですね。実利用者がそういう事情で減っていく中で貸出が増えている。
今、お話がありましたが、茨木全体の人口自体が増えていってるんですか。
それはいいですね。
委員:この近辺、茨木とか吹田とかは、増えていってます。
館長:人口推計でも、まだしばらくは開発等ありまして、伸びると予測しておりますけども、やはり数年で天という予測もございます。
そこから徐々にやはり高齢化もございますので、下降曲線を描いていくというような予測はしております。
会長:そうでいう状況ですか。
色々と詳しく統計を出していらっしゃいますし、おそらくこのスタイルが、来年以降もこれくらいの分量で続く、ということでよろしいですかね。
事務局:はい。
会長:「その他」ということでありますが、あとはよろしいですか。
要覧については以上で終わらせていただきたいと思います。
あと5分ほど時間がありますが、他に何かこれだけは言っておきたいということがありましたら、いかがでしょうかね。
こちらの方は説明はいいですか。
「おもしろい本みつけた」新しいのが送って来られましたけど。
特に何か言っておくことはないですか。
事務局:前回と同じスタイルで、続けて作成させていただきましたので、ご覧いただきまして、もし何かご意見等あれば、頂戴したいと思います。
事務局:よろしいですか。
前回宿題をいただいておりました部分について、特に資料はないんですが、報告です。
来館者数と貸出者数の関係はどうなんだという話をいただいておりまして、各図書館のホームページなんかから引き出せるところはいくつか数字で比較をしてみたんです。
「来館者数が増えたから貸出人数が増える」というようなハッキリとした相関関係というのは見られなかったというところです。
また、「来館者数に対しての貸出者数の割合」というのも、やはり複合施設だったりとかいう所もあって、ハッキリ「これくらいが適当だ」というのがわからなかった部分ではあります。
だいたい40%くらいだとか50%くらいというのが、各館それぞれの状況でした。
茨木市の数字として前回出した数が上下してたのは、機械を入れ替えた27年1月から、来館者数のカウントの機械も変わっていることもあって、来館者数に違いが出てきてることも考えられるのかなというところです。
会長:よろしいでしょうか。
館長:機械が変わったことには問題はないんですが、前の機械が、後半ちょっと調子が悪く、カウントしきれていなかったり、カウントがアナログで0クリアされる部分があって、そこがちょっと疑問点であったということがございます。
ですので、今回新しいシステムになりまして、今度の機械でしっかりとカウントすることによって、ある程度のパーセンテージは今後出てくると考えています。
会長:はい、わかりました。ありがとうございます。
よろしいですか。
それでは、これをもちまして、第2回の茨木市図書館協議会を終了させていただきます。
本日はご苦労さまでした。