1「令和3年度重点目標(案)について」及び2「令和3年度事業計画(案)及び予算について」について事務局より、資料1から資料3に基づき説明
資料1:運営方針及び令和3年度重点目標(案)
資料2:令和3年度図書館事業計画(案)
資料3:令和3年度図書館予算
会長:ここまで、今年度の重点目標、事業計画及び必要な予算について説明をしていただきましたが、それぞれ関連しあった項目ですので、これらについて、ご質問・ご意見などがありましたらお願いします。
委員:3点、質問と気づいた点を申し上げます。
1点目として、運営方針では、『市民の求める資料や情報を積極的に収集し、提供することを最も重要な役割とし、この役割を果たすため、図書館資料の整備充実を図り、迅速かつ的確な読書案内や貸出・予約サービスなどを通じて確実な資料の提供に努める』と示されています。
この提供という言葉は図書館の役割や実際の事業になり、役割は一つの手段と言えるかと思います。
資料収集し提供するという役割や事業を通して市民に何をもたらすのか、また事業目標があれば、そこには目的があると思います。
つまり、運営方針を語る時には目的の明示が求められるのではないかと思います。
図書館にとって自明であっても、市民に向けてはどうなのか気になりました。
過去の協議会などで既に基本計画やサービス計画を発表していないか調べてみたところ、平成元年に基本計画を示されていましたが、内容は中央図書館の整備に関するものであったり、時間もかなり経過しております。
今後、新中条図書館建設の構想に合わせ、茨木市全体として基本計画もしくはサービス計画の策定が予定されているのかをお聞きしたいです。
2点目として、運営方針の項目3の②にサピエの利用があります。
図書館の人間はサピエがどういったものかわかりますが、市民の中にはご存知ではない方がいると思います。
公表資料であれば何か注記が必要ではないでしょうか。
3点目として、運営方針に、『コロナ禍においても創意工夫を図り、図書館サービスの実施に努めます』と締めくくっています。
この一行で重点目標の包括的な配慮点が示されているとも読めますが、私はどちらかというと、世界的な感染症で大きく暮らしに影響が出ていることから、運営方針の前文において、こういう事態に対し、次に挙げる5つの項目では、そういったことに十分配慮して取組みをしていくというような宣言を冒頭に置いた方が、各取組みがより市民に伝わるのではないかと感じました。
会長:ありがとうございます。
毎年、重点目標を立てる時に、市民に向けてミッションにあたるものなどを最初にきちんと明示するものですが、館長はどのようにお考えでしょうか。
館長:運営方針と重点目標について回答します。
運営方針について、以前は毎年言葉を変えておりました。
館内で話し合った際、運営方針は頻繁に変えるものではないということで固定化した経過があります。
ただ、ご指摘のように、目的が何かというところが抜けていると思いますので、今後考えていきたいと思います。
次に、基本計画についてですが、中央図書館ができる時に基本計画を作成しました。
当時は新しい館をつくるぞ、というような計画になっていたと思いますが、時代も変わり、新館計画も変わってきています。
新館を建てる際に計画を作るかどうかについてですが、作るかどうかは決まっていません。
次に、サピエについて、教育委員会の点検評価などでは、必ず文言説明を添えていますが、図書館要覧も市民にも見ていただくものですので、用語説明が必要なものにつきましては入れていきたいと思います。
最後に、コロナ禍における創意工夫についてです。
運営方針は固定したものになりますが、重点目標について、この1年どうするかという大きなものは最初に書く方がわかりやすいと思いますので、書き方について検討いたします。
会長:それでは、次のご意見をお願いします。
委員:3点あります。
1点目として、運営方針の2行目の「市民の求める資料や情報を積極的に収集し提供することを最も重要な役割とします」という部分について、茨木市の図書館には、カテゴリー的に人権に関する書籍が少ないのではないかと何度かこれまでの図書館協議会で意見いたしました。
人権に関する本を探すのに苦労したり、読みたい本がなかったり。
人権センターにはそういう書籍が結構ありますので、そこと連携する方法もあるかと思いますが、どうお考えでしょうか。
2点目として、サピエには、音声デイジー、テキストデイジー、マルチメディアデイジーなどがありますが、大人だけの利用でしょうか。
本を読みづらい子どももデイジーを利用したらいいのではと思いますが、現状はいかがでしょうか。
3点目として、事業計画の8番の移動図書館について、前回、立命館大学の前の公園への巡回を増やしたという説明を受けました。
今後巡回場所を増やすのでしょうか。
館長:1点目の人権に関する書籍についてです。
公共図書館ですので、幅広く資料収集しております。
よって、人権の書籍に特化してたくさん収集しておりませんが、公共図書館には必要な資料ですので、もう一度所蔵状況を見直したいと思います。
次に、人権センターとの連携についてです。
貸出以外の連携できることは、人権センターに限らず、いろんな関係課と連携を進めたく、今後、検証していきたいと思います。
2点目のサピエについてです。
子ども用の資料もあります。
実際に、デイジー図書を読みたいと利用登録された方もいらっしゃいます。
図書館としても、できるだけ多くの方に利用していただきたく、広報をしていますが、大人の利用が多いのが現状です。
3点目の移動図書館についてです。
現在フルで巡回しており、今年度もう1か所増やすことは難しいです。
ただし、イベントに参加すると、インパクトがあり、市民の方が移動図書館に集まって来られますので、単発のイベントなどには参加したいと思います。
委員:子ども向けのデイジー資料があるということで、利用されやすいような広報をぜひお願いします。
会長:他にご意見はありますか。
委員:図書館の事業計画案の中で、12番のビジネス書要約サービスの導入についてお聞きします。
このビジネス書の要約サービスは、現在提供している電子書籍サービスなどの現状システムのオプションでしょうか。
それとも別のシステムでしょうか。
次に、コロナ禍の中、イベントや講座がいつもどおりに開催できず、他の図書館では、テーマを決め、ユーチューブで発信するようなサービスを提供していますが、茨木市の事業計画案からはオンライン配信などは見受けられません。
講座のオンライン配信などを予定しているのかお聞きしたいです。
会長:今の2点について回答をお願いします。
事務局:ビジネス書の要約サービスについてです。
電子書籍のオプションではなく単独のサービスです。
仕組みとしまして、中央図書館には無料のWiFiが設置されておりますので、そちらに接続していただきます。
館内の何か所かに設置されたQRコードを、スマートフォン等で読み込んでいただくとご覧になれます。
ビジネス書1冊につき10分程度で読めるような内容に要約されたものですが、登録やログイン無しに、利用上限が何人といったこともなく、希望される人数だけご利用いただけます。
次に、講座のオンライン配信の件について回答します。
一部の講座でオンライン開催を予定しています。
具体的には、23番の子どもの本の読書講座及び24番の読書感想文の書き方講座につきましてオンライン開催を予定しております。
次に、25番の読み聞かせ講座につきましては、現在は来館での開催を予定しておりますが、それが難しいようであればオンライン開催を検討する予定です。
その他、22番の面展台づくりにつきましては、工作があり、オンライン開催が難しく、密にならない工夫をしつつ来館で開催する方向で予定しています。
会長:他にご意見・ご質問などはいかがでしょうか。
私から1点あります。
予算の委託料の説明で、マークの切り換えをするということですが、何らかの要因で別のものを使うということでしょうか。
館長:現在使っているマークは楽天ブックスネットワークのマークです。
そのマークは令和3年度末で終了されるということで、必然的にマークの業者を変える必要があり、年末年始の休館を利用してマークの変更を予定しています。
会長:現在、大阪府内ではそのマークを使っている図書館が多いですが、どこの自治体も影響が出ているわけですか。
館長:そうです。
そろそろ終了するかもと想定していましたが、これほど急に停止するとは想定しておりませんでした。
マークの会社は残り2社程度しかなく、どちらにするかなど、同じマークを使用している他市などから情報収集を行っているところです。
会長:必然的に、予算的にはこれまでよりもかなり高くなるということでしょうか。
館長:押さえたいところです。
今回計上しているのは、業者を切り替えるための移行費用です。
会長:特別に職員の労力が必要になることはないのでしょうか。
館長:できるだけ労力を減らすことができるよう、予算要求をしています。
会長:今回切り替わることで、例えば、データの内容が変わるとか、良くなる部分はありますか。
館長:現在2社あると申し上げましたが、両方を比較しているところです。
もともと茨木市で使用しているマークはデータ量がかなり少ないため、良くなることを期待しています。
会長:わかりました。
ありがとうございます。
他に、ご質問などはいかがでしょうか。
委員:予算で会計年度任用職員の経費が示されていますが、会計年度任用職員の仕事とは具体的にどのようなものでしょうか。
館長:会計年度任用職員は職員の補助という位置づけです。
カウンター業務や本の装備をしていただくこともあります。
会計年度任用職員は、週5日勤務する方の他に、土日曜日及び祝日に勤務していただいている方もいらっしゃいます。
また、常勤として勤務する方には、必ず司書資格を持っている方を任用しています。
委員:資格のある方が採用されているのか気になっていましたので、ご回答いただきありがとうございます。
会長:他に何かご意見・ご質問はいかがでしょうか。
委員:予算で、本の受入書架を設置されると伺いました。
中央図書館の1階フロアに阿部牧郎さんの遺作のスペースを設けるということですか。
事務局:整理するための書架を地下書庫に設ける予定です。
委員:利用者から見える場所に設置するというわけではないのですね。
会長:地下書庫に受入書架を設置されるということでした。
それでは、他にご意見・ご質問などはいかがでしょうか。
私から質問します。
重点目標の中の主な取組みの2番①に関連して、『多種多様化する調べ物や相談』という文言を図書館の人間はよく使います。
最近多くなった市民からの問い合わせや質問の中で、具体的にどういう内容が増えてきていますか。
特徴的な覚えているテーマなどがあればお聞きしたいです。
委員:子どもたちから学校図書で揃えきれていないテーマについてよく聞かます。
その時、我々はインターネットで調べています。
子どもたちもインターネット慣れをしてきており、図書を上手く活用することについて教師が導き切れていない部分もあります。
子どもたちが家で過ごす時間が増えてきた中、ユーチューバーになるにはどうすればいいのかなど、自分の将来の仕事としてユーチューバーに関心を持っています。
今何ができるのか、具体的に何をすればその仕事につけるのか、どういった力をつければいいのかといったことを問われると、我々教師もすごく答えづらいです。
もし、そういう内容の本が出版された際、子どもたちに繋がるよう、我々教員もアンテナを張りつつ、図書館の方が発行している広報も読んでおかないといけないと思いました。
こういう本が図書館に入ったなど、我々教師に繋いでいただければ、我々から子どもに繋いでいける部分もあるのかなと思いつつ、先ほどの質問を聞いておりました。
事務局:図書館にも、ユーチューバーになる本はあったと思います。
レファレンスで多いのは、郷土関係や茨木関係や歴史関係です。
特に古代の歴史関係は常に多いです。
最近は、行政関係や少し専門的な雑誌に掲載されていた論文のコピーなどを求めておられる方も多いように思います。
新聞記事などのデータベースを見に来られる方も多いです。
他に、テレビ番組などで取り上げられた古い本の所在について聞かれることも多いように思います。
会長:以前のように歴史ばかりでなくなり、本以外にもインターネット情報などを使って答えることが多くなっていると思います。
図書館職員が主体となって調べて利用者に知ってもらうというよりは、利用者自身が調べやすい環境を作れるよう努めていただきたいと思います。
ここで案件1及び案件2について終了します。
続いて、案件3の新中条図書館、市民会館跡地等整備対策特別委員会の報告をお願いします。