ページの先頭へ

中央図書館(総合窓口)
所在地:〒567-0028 大阪府茨木市畑田町1番51号
電話:072-627-4129 ファックス:072-627-7936
メール:cyuotosyokan@city.ibaraki.lg.jp

メールフォーム

このサイトについて

サイトマップ

All Rights Reserved, Copyright©Ibaraki City Library

令和2年度第1回図書館協議会会議録

日時

令和2年8月21日(金)午後3時から午後4時

場所

中央図書館2階多目的室

出席者:(敬称略)

【委員】竹島(会長)、長澤(副会長)、大浦、川野、國松、野村、増田、森

【事務局】小田(部長)、吉田(館長)、中川、中村、濱口、藤井、後藤、中濵、川越、上辻、河原

案件:

  1. 令和元年度事業実績について
  2. コロナ禍における取組と事業計画の変更について
  3. 電子書籍の導入について
  4. 中条図書館の移転計画進捗状況について


 

開会

会長:ただ今から令和2年度第1回茨木市図書館協議会を開催させていただきます。
本日は、8人中7人の委員の皆様にご出席をいただいており、茨木市図書館協議会規則第3条第2項の規定により、過半数の出席がございますので、会議は成立いたしております。
なお、増田委員は後ほど遅れて出席される旨の連絡をいただいています。
また、本日は、当協議会の会議を傍聴したいとの申し出がありますので、ただいまから入室をしていただきます。

【傍聴人入室】

再開いたします。
それでは、本日の案件1「令和元年度事業実績について」及び案件2「コロナ禍における取組と事業計画の変更について」を議題といたします。
事務局から説明をお願いします。
 

1 令和元年度事業実績及びコロナ禍における取組と事業計画の変更について


事務局から、
資料1、資料2及び資料3に基づき説明
(資料1:令和元年度の事業実績、
資料2:コロナ禍における図書館の対応および取組、
資料3:令和2年度図書館事業計画の変更)

会長:それでは、ただ今の説明につきまして、ご質問及びご意見がありましたらお願いします。


委員:茨木市の場合、平成30年度の地震や新型コロナウイルスによる臨時休館もあり、利用者数の減少は否めないですが、資料1(2)の貸出点数について、穂積図書館だけ開館1日当たりの貸出冊数がどんどん伸びています。
1日開館している時の貸出冊数も2,000冊を超えるようですが、何か変わったことや要因などはありますか。
他の図書館は、平成29年・30年・令和元年と、若干減り気味ですが、穂積図書館だけは増えていっています。
いかがでしょうか。


事務局:利用について、確かに他の図書館に比べて穂積図書館だけ微増していっているような形です。
要因として、穂積図書館はイオンモールの中にあり非常に便利な点と、資料1の(7)に示すとおり、北摂7市3町による広域利用においても穂積図書館は駅に近く、多くの他市町の方に利用していただいている点が要因かと思われます。


委員:ありがとうございます。


会長:他に何かありますか。


委員:移動図書館の巡回地について、7月から1か所増えていますが、どれくらいの利用がありますか。


事務局:移動図書館について、7月から1か所巡回場所を増やしています。
これは立命館大学に面した岩倉公園というところで、今はまだ統計が出ておらず利用人数がわかりませんが、
子ども連れのお母さんが多数いらっしゃって、非常に利用が多かったと報告を受けています。


館長:当日私も顔を出しましたが、子どもたちや親子が結構遊ばれていて、そのついでに本を選ばれているようでした。
新しい利用者が多いのではないかと予想していましたが、図書館のカードを持っているご家族も多く、ぱっと借りて帰っているように見受けられました。


委員:ありがとうございました。


会長:私からも1点よろしいでしょうか。
休館あるいは事業変更の中、今まで、利用者や住民からのクレームなどはありましたか。


事務局:図書館が臨時休館した際、図書館は開けるべきというご意見をいただきました。
新型コロナウイルスの対応で閉めていると説明すると、納得される方もたくさんいらっしゃいました。
職員の中で、図書館として、どこまでサービスの提供ができるかを考えて対応してきました。


会長:大変な時期で、これからも予断を許さないと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
他によろしいでしょうか。


委員:資料1の2ページ目の(7)北摂七市広域利用貸出冊数ですが、毎年増えていっている状況と思いますが、
令和元年度の実績について、どういったジャンルの資料又は地域資料の貸出しが多いかなど、傾向はわかりますか。


事務局:広域利用のジャンル別統計は取っておりませんので、今後の課題とさせていただきます。


会長:それでは、ご質問、ご意見が無いようですので、これをもちまして案件1「令和元年度事業実績について」と案件2「コロナ禍における取組と事業計画の変更について」を終わらせていただきます。
続きまして、案件3「電子書籍の導入について」事務局から説明をお願いします。

 

 

2 電子書籍の導入について


事務局から資料4に基づき説明
(資料4:電子書籍の導入について)

会長:ただいまの説明について何かご質問、ご意見がありましたらお願いします。


委員:今現在のコンテンツ数というか、電子書籍の資料数はどれくらいありますか。
先日、茨木市のホームページを見ましたが、今ひとつ全体像が掴めませんでした。


事務局:今年度の予算では1,500点の導入を予定しております。
現在は、1,337点を導入済みです。


委員:ダウンロードをせずに読むのでしょうか。


事務局:はい。
インターネットに接続できる環境の下で、接続しながら読んでいただくものです。


委員:本は1冊ずつしかないということでしょうか。
普通ダウンロードしたら誰でも読めますが、そうではなく、1冊しかないということでしょうか。


事務局:基本は1冊ですが、コンテンツ1つ、つまり1種類の本について、ライセンスが2つや3つあることはあります。
本でいうと、同じ本が2冊や3冊あるというイメージです。


委員:その中で予約が溜まっているということですか。


事務局:2冊分あればお二人まで同時に読めますが、それでも予約が多く溜まっているものもあります。


委員:でしたら、一般の電子書籍、例えばアマゾンなどとは仕組みが違いますね。
図書館と一般の違いがわかりませんでしたが、ライセンスが2つ、3つあるということは、1冊の本が2冊、3冊あるのと同じ環境というイメージですね。


事務局:はい。


委員:今後について、2,000冊、3,000冊と増やすにあたり、市民からのリクエストなどは受付けていただけますか。
というのも、今後コロナの第2波や第3波が来て、また図書館が休館になった場合、例えば子どもを持つ市民から見ると、学習漫画や料理本などは、すごくありがたく、利用したいと思います。
でも、周りのママ友や子どもの学校関係のPTAや市PTA協議会などで電子書籍のことを聞いても、あまり浸透していないといいますか、「そんなこと始めたん」とおっしゃる方が結構いらっしゃって、そこがすごくもったいないと実感しています。
そこで、今後も新型コロナウイルスで自粛などの制限はあるでしょうが、イベントなどで、もっと皆さんが電子書籍を知る機会があればと思いますので、そういったことはお考えでしょうか。
2点をお聞きしたいです。


事務局:まずは電子書籍のリクエスト予約ができるかについてお答えします。
申し訳ありませんが、現在のところ、リクエストはお受けしていません。
といいますのも、市中で流通している電子書籍と比べまして、図書館で貸出が許諾されている電子書籍のコンテンツは非常に少なく、リクエストしていただいても、それが図書館で貸出しできる電子書籍として扱える可能性が大変低いのが現状です。
次に、もう1点の電子書籍のアピールについてです。
今回、広報いばらきの裏表紙に、電子書籍だけの一面広告が載りまして、スッキリした画期的な掲載でしたが、何か他のイベントなどと連携して周知するといった企画は、今のところは考えておりません。
今後の参考にいたします。


委員:はい、ありがとうございます。


館長:広報については、電子書籍に限らず、この協議会において何度も図書館のPRが下手であるという話が出ておりまして、いろいろPRしていかないといけないと考えているところです。
電子書籍につきましては、広報に掲載され、貸出開始と同時にツイッターやフェイスブックなどのSNSに掲載しました。
ただ、継続的に広報しないと皆さんに忘れ去られてしまいますので、継続的なPRをしていく必要があると考えています。


委員:まだ電子書籍を利用していないためお聞きしたいのですが、電子書籍はパソコンとスマートフォンで読むのでしょうか。


事務局:お手持ちのパソコン、スマートフォンやタブレットで読めます。


委員:絵本とかもありますか。


事務局:絵本もありますが、どちらかというと外国語の絵本が多いです。
音声で聞いていただけるものもあります。


委員:読み聞かせなど、子どもたちを集めて、絵本を目の前で見せたりするのと同じように、例えばプロジェクターやパソコンの大画面に映して見せても著作権法上は大丈夫ですか。


委員:茨木市の電子書籍では外国語絵本の取り扱いが多いですが、日本の場合、絵本のデジタル化について、特に絵本作家さんからものすごい反対があります。
一番大きな理由として、最近、パソコンのディスプレイが良くなってきても色を正確に再現してないこともあり、電子化に非常に抵抗を持っておられる方が多いです。
デジタル絵本を許可されている日本の作家さんは本当に一部です。
やはり、作品を創り出す方の意識は、アメリカなどの諸外国とかなり違う部分があり、非常に難しいと思います。
また、おはなし会も、厳密に言うと、オーバーヘッドで絵本をそのまま映す分には構いませんが、デジタルに取り込んでディスプレイに映すのは著作権法違反になりますので、日本の場合、特に芸術関係のものは、デジタル化されても作家さんが許可していないことが多く大変難しいと思います。


委員:それでは、先ほどの意見で述べられたように、図書館が休館になって、子どもたちが図書館で絵本を借りられなくなったから図書館の電子絵本を見ようと思っても、外国の本しかないということでしょうか。


館長:今回、1,500冊を導入するにあたり、収集方針を立てています。
茨木市では以前から電子書籍に関する研究をしており、問題集などの図書資料として所蔵できていないものを収集していこうと検討してまいりました。
電子書籍は、当初大人向けしか買わない予定でしたが、今回、コロナ禍で、お家で勉強しないといけないことが増えたため、児童書を増やすことにし、調べ学習や図書館としてなかなか提供できなかった外国語絵本を提供することにしました。
普通の絵本につきまして、本市では、子どもの読書活動推進計画を立てており、図書館として、今のところ、本に直接触れて欲しいという気持ちもありますので、児童書については、調べ学習を中心にし、日本語の絵本は入れておりません。
ただ、この状況が続いたり、時代が変わって、それが普通になってきたときは、日本語の絵本の収集なども考える必要があると思います。
ですが、今はデジタルよりも、現物の絵本に触れ、それを見て欲しいということで、このような資料収集になっています。


委員:新型コロナウイルスなどいろんなことが起こっても本に触れて欲しいですが、電子書籍で著作権法が影響するということで、すごく良くわかりました。
図書館が開いていて、本をいつでも借りることができれば問題はないのですが。


委員:1,500冊の購入について、今後、どのような分野の本を広げていくのか教えてください。


事務局:現方針といたしまして、従来の紙の本で買えなかった資料を中心にと考えています。
一般書では資格関係を、児童書では調べ学習系やドリルといった形態を今のところは考えています。
点数としては、恐らく来年度もそんなに多く買えないと想定されますので、やはり今の方針のまま収集することになるのではないかと思われます。


会長:よろしいでしょうか。
私からも1点質問します。
これだけ予約が多いと、今後どういった対処を考えられていますか。


事務局:予約が多いものは、ライセンスを増やすことができるかを問い合わせているところです。


委員:今はどんな本もライセンス数は2つくらいあるのでしょうか。


事務局:1つのものが多いですが、2つとは限らず、3つのものもあります。


委員:今回、会議の資料をいただき茨木市の電子書籍のサイトを見ると、読み物だったか、多いものなら8人くらいの予約があります。
一般的にはサイトの一番上に表示される資料にたくさん予約がつく傾向があるみたいです。


事務局:それもあり、ホームページの書名の表示については、予約がついていないものを上にするなど、定期的に書名を入れ替えるような作業をこまめに行っています。
ニーズがある資料につきましては、20件近い予約がついています。


会長:対応としてはこれからの課題と考えてよろしいでしょうか。


館長:8月18日までの統計を取りまして、1回借りた時に、何回ログインしたかという統計を取りました。
多い方では借りている間に40回や80回程度見られている方もいらっしゃいました。
その方はかなり読み込まれているなという印象ですが、とりあえず試してみようという方も多く、1回だけログインされた方が2,200人くらいいるようです。
その方が読まないからすぐに返却しようと思ってくださればいいのですが、2週間借りたままでも延滞にならないと思われると、予約を待っていただく時間は長くなります。
なお、タイトル数とかコンテンツ数については、今後も検証しなければならないと感じています。


委員:2週間経ったら自動的に返却されるのですか。
また、電子書籍を導入されて、何か変化はありましたか。


館長:変化として、今までパスワード登録を全くしなかった方たちがパスワード登録に来られているようです。
特に、広報への掲載やSNSでつぶやいた後に、パスワードや新規登録される方が増えたようです。
今まで図書館に来館したことがない方や興味がなかった方にも図書館に来ていただくきっかけになるのではないかと思います。
始まって1か月程度しか経っていませんので、今後も様子を見て、その方たちが継続して利用していただけるようにしていく必要があると考えています。


委員:提供分野を見ると、子ども向けの調べ学習、学習漫画、外国語絵本のほかにヤングアダルト向けの文芸書もあります。
登録者数の内訳について、小学生や中高生は多いですか。


館長:システム上、まだその内訳は出せていません。
分析をしたく、システムで出せるようにして欲しいという要望をしているところです。
次回には報告をさせていただきたいと思います。


会長:取り組みを始められたばかりのサービスですので、これから事業実績や業界の状況、それらを勘案しながらいろいろ検討されることと思います。
その都度、いろんな報告をこの場でされていくと思われますので、その時にまたご意見をいただければと思います。
ご意見がなければ、この議題は以上にしたいと思います。
よろしいでしょうか。
以上で、案件3「電子書籍の導入について」を終了します。
続きまして、案件4「中条図書館の移転計画進捗状況について」、

事務局から説明をお願いします。

 

3 中条図書館の移転計画進捗状況

事務局から資料5に基づき説明
(資料5:市民会館跡地エリアへの中条図書館の移転について)

会長:大変楽しみな計画の説明でしたが、ご意見、ご質問などがありましたらお願いします。


委員:ある図書館の貸出は、通っただけで貸し出せるなど、本当に自由になっていますね。
どんな感じで貸出しされますか。


館長:今も自動貸出機を使っています。
今は図書館の中だけを考えればよいですが、新施設では、各フロアに図書がある状況ですので、今よりは機械の台数を増やし、セルフで貸出しをしていただくことになると思われます。


委員:今の警報器みたいに、ある程度外に出たらビーって音が鳴るのですね。
外で本を読むことなどができるのでしょうか。


事務局:各階にはテラスがありますので、外に出て自由に読んでいただけます。


委員:5階と6階について、児童書はどちらに置くかもう決めていらっしゃいますか。


事務局:まだ決定ではありませんが、2階に子育て支援の施設が入りますので、今のところ、絵本は2階に置こうかと話しています。
図書館は、2階・5階・6階のうち、メインのカウンターが5階になりますので、5階に絵本以外の児童書を置き、子どもに目が届くようにしつつ少し賑やかな雰囲気を、6階にはコンセントなどがついた机を並べ、パソコンを使ったりできるようにし、集中できるような雰囲気をと考えております。


委員:資料5の右下のイメージ図について、上が6階、下が5階になるイメージですか。


事務局:このイメージ図は2階をイメージしています。
このとおりになるかわかりませんが、ちょうどエスカレーターを下りたところに健診の受付があり、緑のところがテラスに近く、図書館をイメージしていると思われます。


委員:会議資料として、資料5の新館のイメージ図を拝見した際、なんて綺麗で美しいと思いました。
ただ、あまりも綺麗で美しすぎて、施設にばかり目がいってしまうのではないかという不安も感じました。
この館は、子どもの読書を促す施設として、本を読みたいって思う子どもを増やすことができるかを考えた際、例えば、東京都荒川区のゆいの森や武蔵野市にある武蔵野プレイスととても似てるという印象を受けました。
実際にこれらの施設に行った感想として、ゆいの森は、茨木市立中央図書館と同じ60万冊近く本があるにもかかわらず、子どもが実際に本を手に取って見る施設というよりは、のんびり過ごせるような空間が多い、本よりも空間というようなイメージでした。
一緒に連れて行った子どもは、「意外と本が少ないなあ。茨木の中央図書館の方が、本がいっぱいあって楽しいのに。」という感想でした。
私自身も一定そういう印象を受けました。
大人は、インターネットや本屋さんで自分の興味ある本を選ぶことができます。
しかし、子どもは図書館に行く、実際に本を見て選ぶ、本に触り、本に囲まれ、本の匂いを感じるといった、本が目の前にあるからこその良さがあると思います。
本の量とこの施設とのバランスはどのように考えていらっしゃいますか。


館長:今回は、中条図書館の移設であり中央図書館の移設ではないため、本の数は限られます。
検討する中では、子どもが多く利用するとして、児童書は現状よりも充実させたいと考えています。
おはなし室も現状程度のスペースにしたく調整しているところです。
全体的に、現中条図書館よりも規模が小さくなることは避けたいと考えています。
ただし、図書館単体ではなく、複合施設でもありますので、じっくり、しっかりと本が読める施設になるかというとそうならないところもあります。
それでも、分館として、子育て世代の方たちが気軽に立ち寄り、本を選び、多少賑やかかもしれませんが、本を読んでいただける雰囲気は作りたいと考えています。
ホールがメインの建物になりますので、限られた中でいかに充実できるかを検討しています。


委員:ありがとうございます。


委員:施設の中の縦の道の件です。
各階に図書を配置するのは設計者の考え方でしょうが、本を実際に管理するのは図書館で非常に大変ですので、どれだけの効果があるかが重要になります。
例えば、田舎のスーパーに行くと、受験生がエスカレーターの踊り場などに置いてあるテーブルを1日中陣取っていることがあり、同じようなことにならないかという危惧があります。
中央館ではなく分館として、いろんな交渉をしないといけないと思います。
今後、打ち合わせる中で、図書館の考え方などはきちんと言っていただく方がいいと思います。
次に、建物の設計についてですが、図書館は、設計者にとって、普通の施設よりも多方面にアピールしやすく、非常に凝った設計をされます。
そのまま造って、実際に運用したときに使いづらいといったことは、図書館現場の経験者からいうと、これまで幾度となく経験をしていますので、今後交渉される折には、ぜひ、図書館側の考え方をきちんと言っていただく方がいいと思います。
そうしないと、見た目賑やかでも、長く使うには非常に使いにくい図書館になってしまいます。
茨木の中央図書館では木製書架を使っているため、年を経るごとに非常に落ち着いた雰囲気を出していますが、最近の図書館はスチール製書架を使うことが多く、年を経るごとに安っぽくなっていることもありますので、使う材質なども含めて、しっかりと設計者側に意見を伝えていただきたいです。


館長:一緒に入る施設の兼ね合いもありますが、図書館としてできる限り使いやすいものにしたいと思いますので、図書館側の考えをしっかりと言っていきたいと思います。


委員:今の中条図書館は使いやすくてとても好きです。
子どもと大人が分かれいて、広くもなく、欲しい本のところへ一直線に行けるのが良いです。
新中条図書館にはとても違和感がありますが、中央館ではなく分館の移設という館長の説明も理解できます。
市民会館跡地エリアのヒアリングに行った際、新中条図書館はこういう図書館なんだ、こういう感じを楽しんでくださいって言われました。
その時に、調べたい時は中央館、のんびりしたいときは新中条図書館というふうに、市民が目的に合わせて図書館を使い分けると良いのではないかと納得しました。
でも、先ほど、中央図書館の児童室に寄った際、お母さんは大きい子と小さい子を一緒に連れて来ているのを見ました。
新施設では、お兄ちゃんと赤ちゃんで読む本の階が異なりますね。
同じ本を2階と5階で置くとか、何かいい方法を考えていただきたいですが、あまり分けすぎるのも良くないと、小さいことですがそんなふうに思いながらその光景を見ていました。


館長:配架は大事なことですので、図書館内でいろいろ検討し、できる範囲でやっていきたいと思います。


会長:メインは6階のように感じましたが、5階と6階で延床面積はどれくらいでしょうか。


館長:前回の図書館協議会において、延床面積は現在の中条図書館とほぼ同じ1,000平米と説明しましたが、現在は、細かいところを入れると全部で約2,000平米になります。


会長:ということは、現中条図書館の2倍くらいの総面積があるということですね。


館長:細かいところを含めるとそうなります。


会長:一時、子ども図書館が流行り、視察に行きましたが、ほとんど子どもはいませんでした。
先ほどの2階に絵本を置くという案について、そこに本を置いて果たしてどれくらいの子どもが来るのか心配になります。
というのも、当然ながら、小さい子は親と一緒に来館しますが、そこには大人の本はなく、子どもの本しか置いていないとなると、果たしてどれくらいの大人がそこに連れて来てくれるでしょうか。
ですから、子ども図書館を造ってもほとんど子どもや大人が居ないということは、子どもの本を置いただけでは人は来ないということではないでしょうか。
先ほどの事務局の説明では、既に設計に入っているということですので、その設計の場において、図書館関係者あるいは図書館の専門家の意見がとても重要になると感じました。
どういう設計の検討委員会が設けられているかはわかりかねますが、先ほどのご意見のように、図書館側の意見は通りにくいでしょうがしっかりと言った方がいいと感じます。


館長:提案時の面積になりますが、5階だけで1,098平米、6階で617平米、先ほど言いました2階の絵本を置こうと話している部分は220平米くらいになります。

会長のご指摘どおり、健診で来るお子さんだけとは限らないため、配架等についてはこれからしっかりと考えていかなければいけないと思います。


会長:子どもに関するいろいろな質問が出ましたが、何かあればお願いします。


委員:非常に難しいと感じております。
子どもを分けるラインは分ける側の考え方によると思います。
というのも、4年生の担任をすると、特に本が苦手な子どもにどうやって本を薦めるかとなったときは、絵本や読みやすい本から入ります。
子どもたちが、やっと、きっかけを掴み、図書館に行ったときに、周りの子どもの年齢層と自分を比べて引いてしまわないか、どれぐらいの年齢の子どもを対象としているのかというところが気になります。
また、子どもたちが調べものや自分に合った本を探しに図書館に行くとき、1階の時点でどこに行けばいいかがわかれば自分で利用できますが、何もわからないときは、これは絵本になるかといったところからのスタートです。
もし、探し方などを自分で理解してすぐに移動できるようなシステムというか、案内的なものがあって図書館のことがわかってきたら、恐らく子どもたちも図書館を使い出すと思います。
図書館のどこにどういう本があるかわらないと本は選べないと思います。
現在、4年生の担任をしており、図鑑の見方がわからないときには一緒に本の目次を見ることから始めます。
4年生を例にしますが、子どもたちの本に対する育ちや環境の違いによってすごく差を感じますので、それをどうやって埋めるかを考えると、果たして分けることがいいのかすごく悩ましく感じます。
もちろん、施設としてすごく素敵なものができ上がると感じますので、子どもたちにも使いやすい形にしていただければ私たち教師も薦めやすくなります。
図書館に行っておいでと話しかけやすくなると思います。


会長:移設への取り組みが始まったということで、第1回目の紹介でした。
設計など、これから事務局の方から節目節目に説明や紹介があろうと思います。
そのときに意見などをぶつけていただければと思いますので、このくらいで質疑を終了します。
これをもちまして、本日の案件をすべて終了いたしました。
最後に、皆さんから何かご質問等がありましたら、発言をお願いします。


委員:私自身、直接子どもから悩み相談を聞く機会が結構ありますが、子どもの権利に関する大人の認識が非常に薄いと感じます。
ひょっとすると虐待になるようなリスクのある話や、実際に子どもの権利が侵害され、学校に行きたくても行けないような状況にあるといった話をよく聞きます。
子どもたちには、子どもの権利条約というものがあり、あなたたちは必ず守られなければいけない存在だから、自信を持っていろんな人に相談するようにと伝えたり、関係機関につないだりしていますが、子どもの権利に関する大人の認識がとても薄く、最近出版された親子で読める子どもの権利条約に関する絵本も出ましたので、親子で読みやすいですし、その絵本や関連書籍を図書館に置いて広報していただきたいです。
最近、表に出ないところで子どもたちがしんどい思いをしていると結構感じますので、どうぞよろしくお願いします。


館長:ちょうど、この頃、コロナ禍で虐待が増えているという話をよく聞きます。
図書館にも朝から晩までいるお子さんもいらっしゃいますので、図書館としてもそういう本を増やしていきたいと思います。
またご相談をさせていただきます。


会長:それでは、本日の議事はすべて終了いたしました。
これをもって令和2年度第1回図書館協議会を閉会します。