「令和3年度図書館事業計画の変更について」及び「コロナ禍における図書館の対応及び取組について」、
事務局から、資料3~4に基づき説明
資料3:令和3年度図書館事業計画の変更
資料4:コロナ禍における図書館の対応および取組
会長:ただ今の説明について、ご意見・ご質問などがありましたらお願いします。
委員:過去の緊急事態宣言では、図書館などの公共施設で閉館措置をされてきました。
今回の8月2日の緊急事態宣言の対応はまん延防止等重点措置と同じという意味合いになるという説明でしたが、それだけ良くない状況があるからこそ緊急事態宣言という制限をかけているのに、まん延防止と同じ対応なのはどうかと感じます。
府の要請によるものでしょうか。
事務局:前回の緊急事態宣言の時は、府の要請が国の要請基準より厳しく、休館措置をとりました。
今回の大阪府の要請は6月21日からのまん延防止等重点措置の時とほぼ同じ内容でしたので、それに従い一部サービスを制限した上での開館になりました。
委員:例えば公共図書館ではかなり感染防止対策をとられてますので、そこでのクラスターは起こっていません。
ただ今回は、保育所や百貨店など、これまでクラスターが発生しなかった場所で発生し、デルタ株がより感染を広げています。
府の方針に従わざるをえないでしょうが、その辺の危機感はいかがでしょうか。
館長:図書館はいろんな方としゃべる施設ではないという点と、コロナ禍だからこそ、資料を求める方に資料提供をするのが役目であると考えます。
感染拡大する中、今後もっと厳しい利用制限が必要になるかもしれませんが、できる限り資料提供は行っていきたいと考えます。
本市図書館では、座席を減らし、人が対面するところには必ずアクリル板を設置しています。
現段階では、できる限りサービスを継続したいと考えていますが、今後の状況を見極めつつサービス提供をしてまいります。
部長:市の対策本部に出席する立場から申し上げます。
府の対策本部の要請を受けた後、市の対策本部を開いて市の施設の対応を協議しております。
過去にクラスターが出た施設などは府の要請内容にかかわらず、市の状況を踏まえ、休館や縮小措置をすることがあります。
本市の場合、図書館は過去にクラスターを発生したことがないことから、府の要請どおり開館しております。
会長:全国的な状況についてはいかがでしょうか。
委員:コロナ禍の中、公共図書館がどのように対応したかを調べる全国図書館調査が実施されており、秋の図書館大会で概要報告される予定と伺っています。
他が休館しても開館し続けた図書館がなぜそうしたかなど、聞き取り調査などをして明らかになるようです。
また、全国の図書館員や学芸員の有志がWeb上で組織していますsaveMLAK(セイブムラック)がコロナ禍における全国の図書館の対応を定期的に調査し、ホームページで公開しております。
休館等措置を誰が意思決定したのか、図書館の思いと意思決定との相違やその決定を市民がどう評価したかなどがまだ明らかになっていないところです。
他に、今後の非来館サービスとして、司書による宅配や郵送など、物理的な紙の本を届けるサービスや電子書籍が注目されています。
特に、電子書籍は、公共図書館が利用できるタイトルが少なく、一番ニーズの高い文芸書はほとんど利用できないのが現状です。
関連する課題もありますが、図書館が扱えるタイトルを増やすために主体的に動くべきではないかという議論が出ています。
会長:今回は休館している図書館がほとんどないようです。
図書館として、開館した方が業務をしやすいことや各自治体の首長の意向もあるようです。
実際に昨年の緊急事態では、滋賀県は、県内の市町村で図書館だけは開館し、他の施設は全て休館というような対応でした。
現在は、図書館に長居せず、借りたらすぐに帰る対応をお願いする館が多いですが、今後感染者が出たときにどう対応するのかを考えておかないといけないと思います。
それでは、新中条図書館の整備計画の進捗について、事務局から説明をお願いします。
茨木市市民会館跡地エリア(新施設・広場)管理運営計画について、事務局から、資料5に基づき説明
資料5:茨木市市民会館跡地エリア(新施設・広場)管理運営計画(概要版)および図書館部分抜粋
会長:事務局からの説明について、ご意見等がありましたらお願いします。
委員:資料の中にある「縁側」についてです。
昔、縁側は各家庭にある存在でしたが、最近は縁側自体があるお宅が少なくなってきていると思います。
そのような状況でこの表現を使うのは適切なのか気になりました。
部長:担当課によりますと、実際に建物の中に縁側を設けるそうです。
そこをみんなの縁側と名づけて使っていくようです。
委員:「ブックパーク」というコンセプトは、私自身もすごく楽しみにしていますが、縦に広いブックパーク内での本の返却はどうなるのでしょうか。
例えば、中央図書館で一般書と児童書を返却する場合、もし2階に行くのであれば児童書は2階で返却するようになっています。
しかし、先日、小さなお子さん連れの若い夫婦が中央図書館の1階窓口で子どもの本を返そうとしたところ、返却カウンターの職員が有無を言わせない感じで、児童書は2階で返却するようおっしゃっていて、その夫婦がすごくびっくりされていました。
結局、2階に行く予定がないようで、そのまま図書館を出られるのを見かけました。
もし、小さな子どもを連れてこのブックパークを利用した場合、配架されている階に戻るなど、決まった場所での返却は困難であると感じました。
事務局:各階に本が配架され、上下に移動する構造のため、返却ポストを設置するなど、どこでも返却できるよう検討しているところです。
館長:先ほどの1階で本を返したときに職員がお断りした件につきまして、図書館としては、他の階に行かれないときはそこでお受けすることを基本としておりますので徹底していきたいと思います。
また、新中条図書館につきましても、できる限りわかりやすい表示や案内をするなど検討してまいります。
会長:他に何かご意見やご質問はいかがでしょうか。
運営協議会について、市民を含む運営主体が参加する協議会を設置されるということですが、図書館からどのような形で参加することになりそうですか。
館長:表記された運営協議会についてはまだ明らかになっていません。
これから決まっていきますが、図書館も関わっていきたいと考えています。
会長:実際に図書館づくりをされてきた立場から何かありますか。
委員:複合施設に図書館機能を融合させようとお考えでとても素晴らしいと思いますが、恐らく、今後様々な主体による利害関係をどう調整するのかとその調整で苦労されるかと思います。
運営協議会において、利用者や図書館のサポーター的な立場からの意見に答えようとすると、施設全体としては難しくなる局面があると想定されますので、運営協議会は調整の場として鍵になると感じました。
また、私の経験上、運営協議会の意見が市民の意見としてある程度意味を持ち、説明材料として機能する場面も出てくるのではないかと感じました。
会長:他に何かありますか。
委員:基本理念のブックパークは聞いただけでとてもワクワク感がありますので、本当に本の公園なんだという期待感を裏切らないような、つまり、中身は普通で新しい本や閲覧スペースがあるだけということにならないようになればと思います。
固定概念を壊すようなことも必要かと感じます。
直営ですので、伝統的に図書館が大事する部分がありつつも固定観念を思いっきり壊すような空間を作っていただきたく、とても期待していますので頑張ってください。
会長:最後に何かありますか。
委員:ブックパークはとてもワクワクしますが、親にとっては小さい子どもを連れて気軽に行けるかどうかがハードルになります。
子どものことをいろいろ考えてくださっていますが、実際に連れていく親が行こうと思えないと子どもに繋がらないので、親のことも考えてくださっていることが嬉しいです。
実現したら本当に楽しいなと思います。
でも、子どもたちが階をあちこち行き来できるのは楽しいですが、事故が起こらないことが一番だと思います。
楽しいけれども安全面でもバッチリな施設になればいいなと思います。
会長:直営図書館ということで、これから準備をしっかりとしていただきたいと思います。
それでは、本日の議事はすべて終了いたしました。
これをもって令和3年度第1回図書館協議会を閉会します。