1令和4年度重点目標(案)、事業計画(案)及び予算について事務局から、資料1~3に基づき説明
資料1:運営方針及び令和4年度重点目標(案)
資料2:令和4年度図書館事業計画(案)
資料3:令和4年度図書館予算欠席委員からの事前の質問に対する対応を報告
事務局:「運営方針及び令和4年度重点目標(案)」について、事前に嶋田委員からご意見等をいただきましたので、紹介するとともに回答いたします。
1点目、1の④について、郷土・行政資料の資料収集は、地域の公共図書館にしか出来ない重要な業務であり、「適宜」では弱い表現と思いますので、「積極的に」という踏み込んだ姿勢を表現される方がいいと思います。
また、「保存」だけでなく「活用」についても併記すべきではないかと思います、というご意見をいただきました。
対応といたしまして、ご意見のとおり、「積極的に」に変更し、収集だけでなく、資料提供で活用することが目的ですので、「活用」についても併記いたします。
2点目、2の④について、議員、市職員や市民等からの質問があるようでしたら、「郷土」に加え、「地方行政」も含めた表現にしてはどうでしょうか、というご意見をいただきました。
対応といたしまして、最近、市職員からのレファレンス依頼が増えており、昨年度は、市長を始め、市職員や市議会議員等からもレファレンス依頼がありましたので、含めた表現を検討いたします。
3点目、4の②について、「電子書籍や郵送貸出等、非来館型図書館…」というように、文頭に具体例を置かれてどうでしょうか、というご意見をいただきました。
対応といたしまして、「電子書籍や郵送貸出等、非来館型図書館サービスの充実に努めます。
」に修正します。
4点目、電子書籍に関連し、令和2年7月22日に導入された電子書籍の利用状況はその後どうでしょうか。
貸出タイトル数、利用提供タイトル数等をご教示ください。
また、令和2年度第1回の協議会の報告では、ログインが最も多いのは40代という報告でした。
現在の利用世代の特色やコロナ禍による利用状況の推移もご教示ください、というご質問をいただきました。
電子書籍については、導入後しばらく経ち、やや利用は落ち着いていましたが、コロナウイルス感染拡大の局面や、市広報誌の特集記事で取り上げられた後は利用が延びました。
令和2年の7月サービス開始時点では、提供タイトル数1,107、コンテンツ数1,337、令和4年2月末時点では、提供タイトル数1,575、コンテンツ数1,807です。
貸出数は令和2年度7月から3月9,662、令和3年度4月から2月9,913となっています。
また、コロナウィルスの感染拡大局面では、電子書籍を利用するために必要なパスワードの申請をされる利用者が増加しました。
感染拡大前の令和3年3月と、感染拡大している5月を比較すると、貸出数は782から1,009に、予約点数は429から601にそれぞれ29%、40%増加しました。
ウィルス関連ではありませんが、広報誌2月号に図書館の特集が掲載された際には、電子書籍の紹介も掲載された際にはログイン人数147.5%、ログイン回数154.2%、ログイン不要の試し読み回数214.7%という大きな増加率となりました。
年代別の利用傾向については、サービス開始当初と大きな変化はなく、40代が一番多く、ついで50代、30代となっております。
会長:それでは、他にご意見やご質問などはありますか。
委員:令和4年度重点目標の1番の③について、障害の有る無しや高齢者か否かに関わらず読書が困難な方はいらっしゃるので、こういう限定した言い方は気になります。
こういう方に配慮した読みやすい本を読みたい方は、障害の有無等で限定されないので、表記を変えていただけないかと思います。
会長:図書館の世界では、図書館利用が困難な方へのサービスの中に、高齢者や視覚等の障害がある方などが入る形です。
ここでは最初に「図書館の利用に障害がある方や」と別の括りにも感じられます。
いかがでしょうか。
事務局:ご指摘のとおりいろんな方がいらっしゃることから表現を検討いたします。
会長:今どういう表現に変えるかまでは思い浮かばないでしょうか。
委員:「読書が困難な方をはじめとするあらゆる方」とか、障害がある方に限った表現ではない、他の方を含める表記に変えていただいた方がいいのではないかと思います。
館長:1番の③の表記について、障害のある方とは、身体的障害があるという意味ではなく、図書館の利用が困難な方といういう意味でしたが、先ほどのご意見のように、真意と異なる伝わり方があると思いましたので、「図書館を利用するのが困難」ということが皆さんに伝わる形の表現に変えさせていただきます。
委員:よろしくお願いします。
委員:重点目標の1番の④について、資料の保存はどのような形ですか。
子どもをもつ親として、図書館しか集めることができない郷土行政資料をデジタルアーカイブとして、子どもたちがGIGAスクールのタブレット等で見ることができれば、茨木市を知ろうという学校授業の教材に活用できるかと思います。
館長:現段階では紙の保存になります。
図書館の役割として、資料と情報を保存し次の世代に伝えていくことも大きな役割と考えますので、今後、デジタルアーカイブを考えていく必要はあると思いますが、非常に高価なため、まずは紙保存し、時期が来たらデジタル化を検討したいと思います。
委員:先日、国会図書館のホームページから実際に芥川龍之介が書いた文章などが出てきたのを見た子どもたちがすごく感動していました。
例えば、茨木市にしかない資料が電子化されれば、タブレットの利用効果もアップすると感じました。
部長:ただ今のご意見に関して、茨木市では、4月1日から、文化財資料館に郷土資料室をオープンします。
また、川端康成に関する資料は川端康成文学館にあります。
そういったものと図書館資料を有機的に結び付けたり、ご指摘のとおり興味を持った方がその情報を取れるよう、ホームページ等にも掲載していきたいと考えています。
会長:郷土資料の収集のデジタル化について、市の資料をデジタル化しているものもあるため、そういうコンテンツをうまく集めた環境づくりができるかと思います。
自前による整備は、当初補助金で賄えても長く続かない事例が複数ありますので、よく検討してください。
また、行政が刊行する報告書等のデジタル化が進んでいることから、市民が使いやすいように情報を整理し提供することは、お金をかけずに資料提供できる図書館が得意とする方法ですので、取り組んでいただきたいと思います。
その他、ご意見やご質問はいかがでしょうか。
委員:事業計画案の7番について、ライブラリーフェスティバルでは朗読会に参加しておりますが、新型コロナウイルスの感染が拡大するまでは各福祉施設から朗読希望がありました。
今後の先行きは不明ですが、茨木市の図書館は閉館をしない方に舵を取られていることから、令和4年度は福祉施設に声かけをされる予定でしょうか。
事務局:令和4年度の朗読会について、福祉施設等に声をかけることは考えておりません。
新型コロナウイルスの関係もあり、訪問は今後検討したいと思います。
委員:ありがとうございます。
委員:18番のえほんひろばの開催を10月と11月に予定されていますが、以前イオンで行ったえほんひろばを来年度は企画されますか。
広い場所に並べたたくさんの本を子どもが自由に選べることは、本に興味を持つ良いきっかけになると思います。
私は大阪府の図書委員をしており、大阪の南のイオン等でえほんひろばをされたようですが、事前に周知が行き届かず、参加したかったという声があったようです。
茨木市では、イオンのチラシに載せてもらうなど、周知できるのではないでしょうか。
また、若い世代の読書離れをよく耳にしますが、どの世代をターゲットにしていますか。
30周年記念行事記念講演会の講師についても、どの世代をターゲットにされていますか。
事務局:まず、30周年記念行事講演会の講師は、作家の諸田玲子氏を検討しています。
理由は、北摂の歴史を題材とした小説を執筆予定の、諸田氏自身が本市図書館に来館し、レファレンスを受けられたことがきっかけです。
本市郷土の歴史や諸田氏の様々な小説に興味がある利用者に参加していただけると考えております。
次に、えほんひろばについて、中条図書館は10月におはなし室で、穂積図書館は11月にイオンのひろばで開催予定です。
広報誌以外に、イオンが行う独自の周知や図書館でのチラシ配付等、周知を行う予定です。
委員:ありがとうございます。
委員:事業計画の11番で、30周年記念行事として①から⑥を予定していますが、中央図書館だけで完結する内容に思えます。
コロナ禍で大変ですが、図書館PRの観点から、地域団体等と連携することについてどのようにお考えでしょうか。
例えば、図書館単独行事ではなく、スタンプラリーの最後に作家のサインがもらえる等、行事を関連づけたり、全体で30周年のイベントとわかるようなものにしていただきたいと思います。
事務局:中央図書館が30周年に当たるため、中央単独でできることを考えておりました。
利用者が写真を撮れる装飾パネルコーナーの設置や、私の人生を変えた1冊展として、皆さんにアンケート的なものを記入していただき、本やコメントを特集コーナーに設置したり、SNSへの写真投稿などを考えています。
行事を関連づける部分は今後検討いたします。
次に、地域等との連携について、令和4年度はブックトラベルを予定しており、イバラボひろばにて、他課や地域と連携しながら開催したいと考えております。
館長:地域連携につきまして、令和5年度秋に中条図書館が新複合施設に移転することから、令和4年度は関係課や市民のみなさまを巻き込んでいく年と考えています。
ブックトラベルで新施設の関係課や地域団体と連携したり、移動図書館が各地のイベントに出動し、図書館や活用方法のPRを考えています。
また、新たな連携として、おはなし会につきまして、これまで図書館分室で開催してきましたが、地域にあるつどいの広場等の行事に参加できないか検証をしており、令和4年度は外に出ていくサービスを広げたいと考えております。
委員:ありがとうございます。
委員:子ども向けの事業を計画していただいていることを嬉しく思います。
新中条図書館は子どもが中心に検討されていると伺っていますが、子どもが本に親しむことで成長に繋がることもありますので、その部分が充実すればと思います。
委員:子ども向けの事業計画がたくさんあり、茨木市の図書館の力強さを感じつつ、全体を支えていただいていることを嬉しく感じます。
中央図書館30周年記念事業の情報等は、教員に情報が届いていないわけではありませんが、多忙な中で情報をキャッチすることが困難なところに難しさがあると思います。
それでも、各事業において、様々な参加方法を検討していただいており、子どもたちにも伝えたいと思います。
以前にも話しましたが、子どもへのアピールについて、ターゲットになる子どもたちにどうアプローチするかという点で、学校現場との連携があると思いますので、是非、連携を盛んにしていただきたいと思います。
広報掲載後は利用が増えたという事例のように、子どもたちに見える形でアピールすることが有効かと思いますので、学校でも活用できる方法を教えていただければと思います。
館長:コロナ禍で昨年度は職場体験や図書館見学を実施することができませんでした。
図書館見学は子どもたちに図書館を知ってもらう良い機会でしたので、今年は何とか実施したいと思います。
広報は本当に難しいと感じておりますが、子どもたちに伝える方法を館内で検討して参ります。
委員:重点目標の3番①について、イバハルコーナーを設置されていますが、どれだけの子どもたちがそこで本を選んでいるのか疑問です。
本を読むような子どもたちに聞いても、読みたい本が実際にそこにあるかわからないし、ハウツー本が多く、イバハルコーナーよりも実際の書架に行く方が多いとの声がありました。
イバハルコーナーの本を市内の生徒会と一緒に選ぶ等、図書館にこんな本があるということを子どもたちに知ってもらってはどうでしょうか。
10代ならではの悩みの場合、SNSのツイッターを見ながらこんな本があるのかと思える方が、より心に刺さるかと思います。
図書館に来ない子どもたちがどうしたら来るかといったアプローチがあればと思います。
事務局:ご意見ありがとうございます。
10代の子どもたちが図書館に来てくれるようにしたいと工夫しているところです。
例えば、中高生の推し本のリーフレットは、中学校や高校に投票用紙を置いていただき、子どもたちが書いたものを集めたリストです。
同世代の子が実際にどんな本を読むかを知ってもらい、興味をもってもらいたいと思い、今回それを形にいたしました。
これからの部分がありますが、今後も続けていきたいと思います。
委員:リーフレットは学校に置いていますか。
事務局:リーフレットは学校に置いています。
記載した子どもたちに推薦した本が載っていることをお知らせしたり、図書館のホームページにも掲載しています。
SNSは大事なツールと認識していますので、それに力を入れたいと考えています。
委員:中学生の立場で考えると、関心がない子は、リーフレットを学校図書館のカウンターに置いても手に取らないと思いますし、本やリーフレットがある場所にも行かないと思います。
例えば、茨木市の図書館のインスタグラムやツイッター等に、文章ではなく、写真やあらすじや感想が載った中高生の推し本の紹介があれば見てみようと思うのではないでしょうか。
リーフレット以外の方法が今どきの子どもには入りやすいと思います。
事務局:ホームページには掲載していますが、参考にいたします。
ありがとうございます。
書影等著作権の関係もあり、試行錯誤しているところですので、いろいろ検討してまいります。
会長:他にご意見やご質問はいかがでしょうか。
まず、重点目標案は、委員の皆様からのご指摘を踏まえ、図書館が令和4年度やっていきたいことを積極的な形で市民に伝わるように文言修正をお願いします。
次に、事業計画案も、ご意見を踏まえて、1年間の事業を進めていただきたいと思います。
コロナ禍でここ2年は市民対象のサービスを控える傾向にありました。
コロナ禍が今後どうなるかわかりませんが、令和4年度は積極的な事業展開ができるよう進めていただきたく思います。
最後に、予算案は既に確定していますが、コロナ関連経費で厳しい中でも資料費をきちんと確保されており心強いです。
現物の本は買えば備品として残りますが、電子書籍はコンテンツ利用料として、資料費から削られます。
電子化資料は今後も増えていきますので、予算取りの工夫を進めていただきたいと思います。
ここで案件1及び2を終了します。
続いて、案件3の中条図書館移転に関する進捗状況について、事務局から説明をお願いします。